白日会で活躍する新進気鋭の画家、原太一の展覧会を開催致します。
1982年(昭和57年)千葉県松戸市に生まれる。
父で画家、原大介の教育方針で、幼い頃より粘土や絵を描く、物を作ることなど、アートを身近に感じる環境で育った。
その一方、普通の家庭への憧れを抱き、将来はサラリーマンになろうと中学・高校は進学校へ通った。
しかし、進路を決める段階になり、やはり自分で何かを作る仕事がしたいという思いが強くなり、父と同じ画家の道を選び、武蔵野美術大学造形学部油絵学科へ進学する。
大学時代は、制作漬けの日々の中で、何を描いたらよいか苦悩するも、イラスト風のポップなテイストの入った作品が評価された。
この頃は、飼っていた愛犬を主人公に、メカやロボットなどSF的な要素を配置するポップな作品を描いていた。
大学4年生の時に、銀座の貸し画廊で個展を開き、画家としてデビューを果たす。
卒業後は、絵画教室で教鞭をとりながら定期的に発表の機会はあったものの、作品に確信を持てずにいた。
そんな状況を打破するきっかけになったのが、ウサギのモチーフであった。「月うさぎ」と言う店舗で、絵画教室の発表展に向けて、DM用にウサギを描いたところ、ウサギを主人公に据えた画のイメージがとめどなく溢れ出し、このモチーフに可能性を感じたという。幼い頃からピーターラビットやバックスバニーなどのイメージに囲まれ、親しみがあったことも選択した理由の1つでもあった。
2017年に「未明の出発」を制作する。行き先もわからないまま筏にのって出発していくウサギの姿が、当時の原自身と重なり、この作品が画家としてのターニングポイントとなったという。
「未明の出発」を日動画廊主催の昭和会展に出品し入選。翌2018年第53回昭和会展でニューヨーク賞を受賞。
ザ・コンテスト・インニューヨークでグランプリを受賞し、画家としての活躍の場を広げていく。
2019年第95回白日会展で白日賞、大宥美術賞。2023年第99回白日会展でSOMPO美術館賞を受賞し、白日会 美術界の明日を担うであろう若手精鋭画家の1人となった。
原作品は、擬人化されたウサギのギアス氏と、相棒の犬ジョンが世界を体験するために旅をするシリーズを見事な描写力で描いている。ギアス氏の半分は鑑賞している方で、もう半分は原自身。
風景や建物、乗り物、懐かしい思い出、体験や空想、キャグ、憧れ、恐れ、巨匠たちの名画へのオマージュや社会風刺が入り、独自の幻想的世界が生き生きと表現され、見る人の目を楽しませてくれる。
本展覧会では約60点を展示致します。
画の中にギアス氏と相棒ジョンを探しながら、素晴らしい旅をご一緒にお楽しみください。
会期 | 2025年1月10日(金) ~ 3月30日(日) |
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主催 | 森の美術館 |
後援 | 松戸市 松戸市教育委員会 流山市 流山市教育委員会 |
協力 | 笠間日動美術館 渋谷教育学園幕張高等学校 |
森の美術館 〒270-0122 千葉県流山市大字大畔315 TEL/04-7136-2207