東光会、日展で注目をされている木版画家 田中里奈の展覧会を開催致します。
1981年(昭和56年)神奈川県横浜市に生まれる。
木版画家になるきっかけは小学生の頃、年賀状を版画で制作した時に、その魅力に引き付けられ夢中になった事からだという。
その後、現在 日本藝術院会員である佐藤哲の作品に憧れ、当時佐藤が美術教師をしていた厚木南高校(当時)に迷わず進学した。3年間の多感な時期を美術部で活動し、充実した日々を過ごした。
憧れていた佐藤の、人の心理を追求した著書をボロボロになるまで読み込み体得。その精神が、画家として作品を作り出す根底にあるという。
進路に迷っていた時に、公募展に出品することを勧められ、入賞したことが転機となり、木版画で進むことを決意し、佐藤哲に師事する。
2002年に東光展に初出品し受賞、2005年には初入選し、以後数々の賞を受賞し、頭角を現していく。
2014年 東光展 都知事賞受賞。 2022年には文部科学大臣賞を受賞する。
日展では2005年に初入選、2014年と2017年に2回特選を受賞。2020年・2024年には日展審査員を務め、新しい木版画の先駆者として、評論家や著名な作家に注目され、期待される存在となった。
田中の作品は全くブレることなく木版画1本である。20歳の頃より独学で努力を重ね、描き続けてきた。
制作期間は、構図を決める所から含めて約1年だという。テーマを決めたら現地へ通い詰め、図鑑や資料を集めたりと知見を深める事にも田中は妥協をしない。
下書きをする際には、頭の中で彫る所、色を付ける所、出来上がりは画が反転することも考えなければならないのだが、その複雑さが面白く、版画は紙を上げるまで成功か失敗かわからない。そのワクワクした気持ちがたまらないという。
又、木を彫る作業は非常に力が必要である。全身の力を彫刻刀に込め、ひと彫 ひと彫 情熱を注いでいく。
そして、摺る前に色を付け、和紙を貼るなどの工夫を凝らして作品を作り上げている。
本展覧会では、作品のテーマを 「動物」 「黄昏」 「食卓・魚・猫たち」 「富士山」 「道化師」 の5つに分け、東光展・日展の出品作品を中心に、約50点を前期後期に分けて展示致します。又、制作工程や原版なども展示し、版画の世界を感じていただけます。
木版画でありながらも、立体感を見事に表現した見ごたえのある作品をどうぞご高覧下さい。
会期 | 2025年4月5日(土) ~ 6月28日(土) 【前期】:2025年4月5日(土) ~ 5月18日(日) 【後期】:2025年5月21日(水) ~ 6月28日(土) |
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休館日 | 月・火曜日(5/5・5/6・5/12は開館) |
主催 | 森の美術館 |
後援 | 一般社団法人 東光会 厚木市 厚木市教育委員会 流山市 流山市教育委員会 |
森の美術館 〒270-0122 千葉県流山市大字大畔315 TEL/04-7136-2207